毎年続けてきたお歳暮を、そろそろやめたい。そう思いながらも「急にやめたら失礼にあたるのでは」と、手が止まっていませんか。相手との関係を壊さずに区切りをつけたいからこそ、言葉選びに迷うものです。
この記事では、お歳暮をやめると伝えるときの文例を、贈る側・受け取る側・会社の3つの立場に分けて30例そろえました。あわせて、いつ伝えるのがよいか、やめたあとの付き合い方はどうするかもまとめています。
先に結論をお伝えすると、お歳暮をやめること自体は失礼ではありません。角が立つのは、何も言わずに贈るのをやめてしまう場合です。感謝を先に述べ、理由は短く、今後も変わらぬ付き合いを願う。この型さえ押さえれば、どの相手にも失礼なく伝えられます。
お歳暮をやめるのは失礼?先に決めておく3つのこと
お歳暮をやめるのは、マナー違反ではありません。贈答は本来、感謝を伝えるための手段です。続けること自体が目的になり、負担だけが残っているなら、区切りをつけて構いません。
ただし、文例を選ぶ前に決めておきたいことが3つあります。ここが定まっていないと、丁寧に書いたつもりでも相手に真意が伝わりません。
黙ってやめるのが一番角が立つ
前触れなくお歳暮が途絶えると、受け取る側はいろいろと考えます。何か気に障ることをしたのか、体調を崩したのではないか、といった具合です。やめたこと自体より、理由がわからないことのほうが相手を不安にさせます。
相手からもお歳暮が届いている場合は、さらに気まずい状況になります。こちらが贈らないまま相手だけが贈り続ける形になり、相手に「どうしたものか」と悩ませてしまうためです。
一言伝えるだけで、相手も安心して区切りをつけられます。お歳暮をやめるときに本当に必要なのは、丁寧な言い回しよりも「伝える」という行為そのものです。
「贈るのをやめる」と「もらうのを辞退する」で文面が変わる
同じ「お歳暮をやめる」でも、自分がどちらの立場かで文面の組み立てが変わります。贈るのをやめる場合は自分の事情を述べるだけですが、辞退する場合は相手に行動をお願いすることになるためです。
| 自分の立場 | 文面の主眼 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 贈るのをやめる | これまでの感謝と、やめる時期を伝える | 理由を長々と書かない |
| もらうのを辞退する | お礼を先に述べ、辞退のお願いはあとに置く | 否定から書き出さない |
| やり取りそのものを終える | 双方の負担にそっと触れて区切る | 相手の行為を責める形にしない |
迷いやすいのが3つ目の「やり取りそのものを終える」ケースです。親戚どうしで長年やり取りが続いている場合などが当てはまります。相手の負担に触れるときは、こちらの都合を先に立てると角が立ちません。
やめどきの目安|関係の変化・代替わり・高齢
いつやめてよいのか、明確な決まりはありません。ただ、区切りとして選ばれやすいタイミングはあります。次のような節目があれば、そこに合わせると理由も自然に説明できます。
- 仲人・媒酌人へのお歳暮は、結婚後3年ほどを一つの区切りとする考え方があります
- 退職・転勤・卒業などで、お世話になっていた関係が変わったとき
- 親から引き継いだやり取りで、自分自身は相手と面識が薄いとき
- 年齢を重ね、品選びや手配そのものが負担になってきたとき
- 年賀状のやり取りだけになり、直接会う機会がなくなって久しいとき
どれにも当てはまらない場合でも、問題ありません。「身辺を整理する機会があり」という言い方にしておけば、具体的な事情を明かさずに区切りを伝えられます。
お歳暮をやめると伝える時期|3つの伝え方から選ぶ
伝えるなら、お歳暮のシーズンに入る前がもっとも負担が少なくて済みます。シーズンに入ってからだと、相手はすでに品物を手配し終えている可能性が高いためです。
お歳暮を贈る時期は地域によって差があります。まず、自分と相手の地域の目安を確認しておきましょう。
| 地域・場面 | 贈る時期の目安 | 伝えるなら |
|---|---|---|
| 関東 | 12月初旬〜12月20日ごろ | 11月中〜12月初旬 |
| 関西 | 12月13日〜12月31日ごろ | 11月中〜12月上旬 |
| 年内に間に合わないとき | 松の内までは「御年賀」として | 年始の挨拶に添える |
| 松の内を過ぎたとき | 立春までは「寒中御見舞」として | 寒中見舞いに添える |
関西は伝統的に大みそかまでとされますが、近年はどちらの地域でも12月20日ごろまでに届くよう手配する人が増えています。いずれにせよ、相手が品を選び始める前に伝えるのが肝心です。
(1) シーズン前に予告する(11月中〜12月初旬)
もっとも無駄がなく、相手にも親切な方法です。品物を手配する前に届くため、相手に余計な出費や手間をかけずに済みます。
文面では「本年をもちまして」と時期を明示するのが要点です。いつからやめるのかがはっきりしないと、相手は毎年迷うことになります。ぼかさずに区切りを示しましょう。
(2) 最後の1回に挨拶状を添える
感謝の区切りとして最後の品物を贈り、そこに一筆添える方法です。「長年ありがとうございました」という言葉が、もっとも自然な流れで書けます。
ただし、相手がお返しを考える手間は残ります。目上の相手に使うときは、末尾に「お返しのお心遣いはどうぞご無用に」と一言添えておくと親切です。
(3) 年明けのお礼状・年賀状で伝える
届いたお歳暮へのお礼を述べたうえで、末尾で今後のことに触れる方法です。感謝が先に立つ構成になるため、辞退の言葉が角ばって聞こえにくくなります。
受け取る側として辞退したい場合は、この形がもっとも使いやすいでしょう。年賀状のやり取りがある相手なら、年賀状の余白に短く添える形でも構いません。
手紙・はがき・メール・電話の使い分け
手段は相手との距離感で選びます。改まった手紙がいつも正解とは限りません。近しい親戚に封書を送ると、かえってよそよそしく映ることがあります。
| 手段 | 向いている相手 | 特徴 |
|---|---|---|
| 封書の挨拶状 | 仲人、恩師、目上の親戚 | もっとも丁寧。長く続いた相手への区切りに向く |
| はがき | 年賀状のやり取りがある相手 | 手軽で重くならない。短い文面で足りる |
| 電話 | 親・きょうだい・近しい親戚 | 書面がよそよそしく映る相手に。後日はがきを添えても |
| メール | 日常的に連絡を取る相手、取引先 | 早く確実に届く。文面は改まった形にする |

【贈る側】お歳暮をやめる文例|相手別16例
ここからは、自分が贈るのをやめる場合の文例です。相手が変わっても、文面の型は共通しています。
- これまでお歳暮を受け取ってもらったことへの感謝
- いつからやめるのか(本年をもちまして、来年より、など)
- 今後も変わらぬ付き合いを願う一言
親戚・義実家へ贈るのをやめる文例(3例)
親戚間では、双方の負担に軽く触れると受け入れられやすくなります。こちらの一方的な都合ではなく、お互いのためという形にするのがこつです。
師走を迎え、何かとお忙しくお過ごしのことと存じます。こちらは家族一同、変わりなく過ごしております。
さて、長い間お歳暮のやり取りを続けてまいりましたが、本年をもちまして双方ともお心遣いを控えさせていただければと思っております。お互いに気を遣わずにお付き合いを続けていけたら、というのが正直な気持ちです。
これまでの温かいお心遣いに、あらためてお礼を申し上げます。今後とも変わらぬお付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします。
電話で伝える場合や、年賀状の余白に添える場合は、次のような短い言い回しで足ります。
- (電話で)実はご相談なのですが、お歳暮のやり取り、今年で区切りにしませんか。お互い気を遣わずにいきましょう。これまで本当にありがとうございました。
- (年賀状に添えて)長年のお心遣い、ありがとうございました。歳暮のやり取りは昨年で区切りとさせてください。これからも変わらずよろしくお願いします。
アレンジのポイントは「双方とも」という言葉を入れるかどうかです。相手にもやめてほしい場合は入れ、こちらだけやめる場合は外して「私どもからのお歳暮は」と限定します。
仲人・媒酌人へ贈るのをやめる文例(3例)
仲人へのお歳暮は、区切りをつけやすい相手です。結婚から一定の年数が経ったことを理由にできるため、こちらの都合を説明する必要がありません。
拝啓 師走の候、皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのことと拝察いたします。
私どもの結婚に際しましては、ひとかたならぬお力添えをいただき、その後も長きにわたり温かく見守っていただきました。おかげさまで、夫婦ともに健やかに過ごしております。
さて、結婚から一つの区切りを迎えましたことから、本年をもちましてお歳暮のご挨拶を控えさせていただきたく存じます。誠に勝手ながら、何とぞご容赦くださいませ。
今後は年頭のご挨拶にてお伺いさせていただきます。末筆ながら、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
敬具
- (はがきで)結婚から三年の節目を迎えましたことから、お歳暮のご挨拶は本年をもちまして控えさせていただきます。長年のお心遣いに、心よりお礼申し上げます。
- (年賀状に切り替える旨を添えて)今後は年始のご挨拶のみとさせていただきたく存じます。変わらぬお付き合いを賜れましたら幸いです。
アレンジのポイントは、年数をはっきり書くかどうかです。3年や5年といった節目が過ぎているなら明記すると納得されやすく、微妙な時期なら「一つの区切り」とぼかしておくのが無難でしょう。
恩師・習い事の先生へ贈るのをやめる文例(3例)
恩師や習い事の先生には、感謝の分量を多めにします。お世話になった期間が長いほど、やめる旨だけの短い文面は素っ気なく映ります。
拝啓 歳末の候、先生にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
在学中はもとより、卒業後も長きにわたりお心にかけていただき、心より感謝しております。折に触れて先生のお言葉を思い出しながら、日々を過ごしております。
さて、このたび身辺を整理する機会があり、本年をもちまして季節のご挨拶を控えさせていただくことといたしました。長年お受け取りいただきながら勝手なご挨拶となりますこと、何とぞお許しくださいませ。
お便りは今後もお出しさせていただきたく存じます。寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛ください。
敬具
- (習い事の先生へ・はがき)長らくお稽古でお世話になり、ありがとうございました。季節のご挨拶は本年をもちまして控えさせていただきます。今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
- (教室をやめる場合)このたび教室を離れることとなり、お歳暮のご挨拶も本年で最後とさせていただきます。先生から教わったことは、これからも大切にしてまいります。
アレンジのポイントは「お便りは続ける」と書き添えることです。贈り物はやめても関係を切るつもりはない、という意思が伝わり、相手の受け取り方が大きく変わります。
上司・元上司へ贈るのをやめる文例(3例)
個人として上司に贈っていた場合は、会社の方針に触れると伝えやすくなります。個人の判断ではなく、職場全体の流れとして説明できるためです。
拝啓 師走を迎え、ご多忙の日々をお過ごしのことと存じます。日頃より温かいご指導を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、勝手ながら本年をもちまして、季節のご挨拶を控えさせていただきたく存じます。社内でも贈答を控える流れとなっておりますこと、何とぞご理解いただけますと幸いです。
形は変わりましても、感謝の気持ちに変わりはございません。引き続きご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
敬具
- (口頭で)いつもお世話になっております。恐れ入りますが、季節のご挨拶は今年で控えさせていただければと思っております。お気持ちだけ変わらずお伝えできればと。
- (元上司へ・はがき)ご退職後も長らくご挨拶をお送りしておりましたが、本年をもちまして控えさせていただきます。在職中に賜りましたご厚情に、あらためて御礼申し上げます。
アレンジのポイントは、相手が現職の上司か元上司かで理由を変えることです。現職なら社内の方針、元上司なら関係の節目を理由にすると、どちらも自然に収まります。
最後の品に添える一筆箋の短文(4例)
最後の1回を贈ってから区切る場合は、品物に短い添え状を入れます。一筆箋なら3行程度で十分です。長く書くと、かえって重い印象になります。
- 長年にわたるお心遣いに、心より感謝申し上げます。誠に勝手ながら、季節のご挨拶は本年をもちまして控えさせていただきます。今後とも変わらぬお付き合いをお願いいたします。
- 本年も大変お世話になりました。ささやかではございますが、感謝の印にお納めください。お歳暮のご挨拶は今回で最後とさせていただければ幸いです。
- これまでのご厚情に御礼を申し上げたく、心ばかりの品をお送りいたしました。今後はお心遣いをなさいませんよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
- 長い間、本当にありがとうございました。区切りとしてお送りいたします。お返しのお心遣いはどうぞご無用にお願いいたします。
アレンジのポイントは、最後の一文です。相手が几帳面な方ほどお返しを用意しようとするため、「お返しはご無用に」を入れておくと余計な負担をかけずに済みます。

【受け取る側】お歳暮を辞退する文例7例
受け取る側から辞退する場合は、書く順番がすべてです。「もう送らないでください」を先に書くと、どれほど丁寧な敬語を使っても拒絶に聞こえます。
辞退の一文だけを添える書き方(2例)
お礼状の末尾に一文足すだけの、もっとも軽い伝え方です。すでにお礼状を書く習慣がある相手なら、これで十分に伝わります。
- 毎年お心にかけていただき恐縮しております。今後はどうぞお気遣いなさいませんよう、お願い申し上げます。
- お気持ちはたいへんうれしく頂戴いたしました。ただ、かえってご負担をおかけしてしまいますので、今後はご無用に願えれば幸いです。
お礼状に辞退を書き添える文例(2例)
届いたお歳暮へのお礼を丁寧に述べたうえで、末尾で辞退を伝える形です。目上の相手や、長く続いている相手にはこちらを使います。
拝啓 寒さ厳しき折、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
このたびは結構なお品をお送りいただき、誠にありがとうございました。家族そろってありがたく頂戴いたしました。毎年変わらぬお心遣いに、恐縮するばかりでございます。
つきましては誠に勝手なお願いではございますが、今後はどうぞお気遣いなさいませんよう申し上げます。お気持ちだけで十分にありがたく存じております。
時節柄、くれぐれもご自愛くださいませ。まずは書中をもちまして御礼申し上げます。
敬具
このたびは立派なお品をありがとうございました。子どもたちも大喜びで、さっそくいただいております。
毎年気にかけていただいて本当にうれしいのですが、そのたびにお手間をおかけしているようで心苦しく思っております。来年からはどうぞお気遣いなく、お互い身軽にお付き合いできればうれしいです。
寒い日が続きますので、どうぞお体を大切にお過ごしください。
お礼状そのものの書き方や、相手別の基本の型は次の記事にまとめています。辞退の一文を足す前に、土台となる文面を整えておくと仕上がりが安定します。

品物を返送するときの添え状(1例)
立場上どうしても受け取れない場合は、品物を返送することになります。返送は相手の気持ちを退ける行為なので、添え状での説明が欠かせません。
拝啓 師走の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
このたびは過分なお品をお送りいただき、恐縮に存じます。お心遣いはたいへんありがたく拝察いたしました。
しかしながら、立場上ご厚意をお受けすることができかねますため、誠に失礼とは存じますが、そのままお返しさせていただきます。お気持ちだけありがたく頂戴いたします。
今後とも変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
敬具
返送するときは、品物を開封しないまま送り返します。開封後だと返送できないため、受け取れない可能性がある相手からの荷物は、中身を確認する前に差出人を見る習慣をつけておくと安心です。
メール・LINEで辞退を伝える文例(2例)
日頃からメールやLINEでやり取りしている相手なら、その手段で伝えて構いません。届いたその日のうちに送れるのが利点です。
件名:お歳暮の御礼
いつもお世話になっております。本日、ご丁寧なお品を頂戴いたしました。心より御礼申し上げます。
毎年お心遣いをいただき、恐縮するばかりでございます。誠に勝手ながら、今後はどうぞお気遣いなさいませんようお願い申し上げます。お気持ちだけで十分にありがたく存じます。
取り急ぎ、メールにて御礼かたがたご連絡申し上げます。
お歳暮が届きました。いつもありがとうございます、みんなで大事にいただきますね。
ただ、毎年気を遣わせてしまって申し訳ないので、来年からはどうぞお気になさらないでください。お互い無理なく、これからも仲よくしてもらえたらうれしいです。
アレンジのポイントは、辞退の理由を「自分が恐縮している」側に置くことです。「いらない」ではなく「気を遣わせたくない」と書けば、相手の好意を否定せずに済みます。
【ビジネス】会社としてお歳暮をやめる文例4例
会社として贈答をやめる場合は、個人の判断ではなく会社の方針として伝えます。「虚礼廃止」「経費見直しの一環」といった言葉を使うと、相手も社内で説明しやすくなります。
伝える時期は、取引先が手配を始める前が鉄則です。お歳暮なら11月中に届くよう手配しておくと確実でしょう。
取引先への挨拶状の例文(2例)
取引先への通知は、封書の挨拶状が基本です。同じ文面を多数に送るため印刷で構いませんが、担当者名ではなく会社名と代表者名で出します。1通目は贈るのをやめる場合、2通目は受け取りもあわせて辞退する場合の例文です。
拝啓 師走の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、誠に勝手ながら、弊社では虚礼廃止の方針に基づき、本年よりお歳暮をはじめとする季節のご贈答を差し控えさせていただくことといたしました。
長らく温かいお心遣いを賜りながら、このようなご挨拶となりますこと、何とぞご容赦くださいませ。今後は本業をもちましてご厚情にお応えしてまいる所存です。
まずは書中をもちましてご挨拶申し上げます。
敬具
拝啓 歳末の候、貴社におかれましてはいよいよご隆盛のこととお慶び申し上げます。
このたび弊社では、公正な取引関係の維持を目的として、季節のご贈答につきましては贈答・受領ともに差し控えさせていただく方針といたしました。
永年のご厚志に感謝申し上げますとともに、何とぞ趣旨をご賢察のうえ、ご了承賜りますようお願い申し上げます。今後とも変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
敬具
取引先へのメール文例(2例)
日頃からメールでやり取りしている担当者には、メールで伝えても失礼にはあたりません。件名で用件がわかるようにしておくと、相手が社内で共有しやすくなります。
件名:季節のご贈答辞退に関するご案内
平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、弊社では経費見直しの一環として、本年よりお歳暮などの季節のご贈答を差し控えさせていただくこととなりました。長年のご厚情に甘えながら勝手なご案内となりますこと、何とぞご容赦いただけますと幸いです。
今後とも変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
件名:お歳暮に関するお願い
いつも大変お世話になっております。毎年お心遣いを頂戴し、誠にありがとうございます。
つきましては恐縮ながら、弊社の方針により、季節のご贈答はお受けいたしかねる運びとなりました。お気持ちだけありがたく頂戴し、今後はご辞退申し上げたく存じます。
何とぞ事情をご賢察のうえ、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
お中元とお歳暮をまとめて廃止する場合は、夏のうちに一度で伝えてしまうほうが手間がかかりません。取引先への通知や、受け取りを辞退する場合の書き方は次の記事で詳しく扱っています。

お歳暮をやめたあとの付き合い方と3つの文例
贈答をやめても、季節の挨拶まで一緒にやめる必要はありません。むしろ挨拶だけは残しておくほうが、関係が自然に続きます。
年賀状・寒中見舞いに切り替える文例(3例)
お歳暮の代わりに年賀状を、お中元の代わりに暑中見舞いを送る形にすれば、節目ごとの挨拶は保てます。品物のやり取りだけが静かに減っていく形です。
- (年賀状に添えて)旧年中は温かいお心遣いをありがとうございました。本年よりご挨拶のみとさせていただきますが、変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。
- (寒中見舞いに添えて)寒い日が続いておりますが、お変わりございませんか。今後は季節のご挨拶にてお伺いさせていただきます。
- (暑中見舞いに添えて)ご挨拶の形は変わりましたが、いつも気にかけております。暑さ厳しき折、どうぞご自愛ください。


やめたあとも届いてしまったときの対応
伝えた翌年も品物が届くことは珍しくありません。行き違いだった、長年の習慣で手が動いてしまった、といった事情が考えられます。
1年目はお礼状を出し、そのなかで改めて一言添えます。それでも続く場合は、受け取ったままにする判断も選択肢です。何度も辞退を繰り返すほうが、かえって相手の気持ちを傷つけてしまいます。
- 1年目:お礼を述べたうえで「重ねてのお願いとなり恐縮ですが」と添える
- 2年目以降:辞退の言葉は繰り返さず、お礼状のみを出す
- こちらが贈るのをやめた側なら、お礼状に近況を添えて関係を保つ
使わないほうがいい言葉と言い換え
同じ内容でも、言葉選びひとつで受け取られ方が変わります。とくに辞退を伝えるときは、次の言い換えを覚えておくと安全です。
| 避けたい言い方 | 相手にどう聞こえるか | 言い換え |
|---|---|---|
| お気遣いは無用です | 突き放された印象を与える | お気持ちだけありがたく頂戴いたします |
| 今後は不要です | 命令のように響く | どうぞお気遣いなさいませんように |
| 家計が苦しいもので | 相手に気を遣わせてしまう | このたび身辺を整理する機会があり |
| そちらもおやめください | 相手の行為を否定してしまう | ご負担のないようになさってください |
迷ったら「やめる」ではなく「控える」を使いましょう。同じ意味でも、控えるのほうが謙譲の響きを持ち、相手への配慮がにじみます。
お歳暮をやめる文例のよくある質問
- お歳暮をやめるのに理由は必要ですか?
-
必須ではありません。書く場合も一文で十分です。「身辺を整理する機会があり」「一つの区切りを迎えましたことから」といった言い方なら、具体的な事情を明かさずに済みます。理由を詳しく説明するほど言い訳めいて聞こえるため、短くまとめるほうが伝わります。
- お中元だけやめて、お歳暮は続けてもよいですか?
-
問題ありません。どちらか一方だけを残す場合は、一年の締めくくりの挨拶にあたるお歳暮を残す形が一般的です。急に両方やめるのが気になるときは、先にお中元を控え、翌年からお歳暮も控えるという段階的な進め方もできます。
- 挨拶状は手書きでないと失礼になりますか?
-
印刷でも失礼にはあたりません。取引先への通知など、同じ文面を多数に送る場合はむしろ印刷が通例です。ただし個人の相手には、印刷の文面に一行だけ手書きを添えると印象が大きく変わります。
- 相手が喪中のときに辞退を伝えてもよいですか?
-
お歳暮自体はお祝いではなく感謝を表す贈り物のため、喪中でもやり取りできます。ただ、相手が喪中の時期に辞退の話を持ち出すのは避けたほうが無難です。四十九日を過ぎ、落ち着いたころに寒中見舞いなどで伝えるとよいでしょう。
- 会社の方針でやめる場合、会社名と個人名のどちらで出しますか?
-
会社としての方針なら、会社名と代表者名で出します。担当者個人の名前で出すと、個人的な判断と受け取られかねません。一方、個人として上司へ贈っていたものをやめる場合は、当然ながら個人名で伝えます。
- 年賀状も一緒にやめたい場合はどうしますか?
-
同時にやめると、関係を絶ちたいという意思に受け取られる可能性があります。まずはお歳暮だけを控え、年賀状は続けるのが穏当です。年賀状も整理したい場合は、年を改めて別の機会に伝えるほうが誤解を招きません。
まとめ|感謝を先に、理由は短く
お歳暮をやめること自体は、失礼にはあたりません。問題になるのは、何も告げずに途絶えさせてしまう場合です。一言伝えるだけで、相手も安心して区切りをつけられます。
文面の型は立場によって変わります。贈るのをやめるなら感謝とやめる時期を、辞退するならお礼を先に置いて末尾でお願いを、会社としてやめるなら方針として。この3つを押さえれば、相手が誰でも応用できます。
伝える時期は、相手が品物を手配する前。関東なら11月中、関西でも12月上旬までには伝えておくと安心です。
贈答はやめても、季節の挨拶まで手放す必要はありません。年賀状や寒中見舞いを続けていれば、つながりはこれまでどおり保てます。品物ではなく言葉で伝える形に変わるだけです。
