幹事を任されて、まず手が止まるのが送別会の案内文ではないでしょうか。日時と場所を書けば済むはずなのに、書き出しの一言や、本人にどこまで伝えるかで迷ってしまいます。
案内文に求められるのは、「必要な情報が抜けていないこと」と「出欠がすぐ返ってくること」の2つだけです。凝った文章より、読んだ人がその場で予定を押さえられるかどうかが大切になります。
この記事では、案内文に入れる項目と送る時期から、退職・異動・定年・産休といった理由別の社内メール例文、社外向けの案内状、掲示用やチャット用の短文、出欠の取り方とリマインドの文面までをまとめました。そのままコピーして、日付と名前を差し替えれば使えます。
送別会の案内文に必要な項目と送るタイミング
案内文でいちばん大事なのは、読んだ人が「行けるかどうか」をその場で判断できることです。そのために必要な情報は7つに絞れます。文章の巧拙より、この7つが揃っているかを先に確認しましょう。
案内文に必ず入れる7つの項目
下の表の項目を上から順に並べるだけで、案内文の骨組みは完成します。特に抜けやすいのが「会費」と「出欠の回答期限」です。この2つがないと、参加する側が動けません。
| 項目 | 書き方の例 | 補足 |
|---|---|---|
| 開催の趣旨 | 〇〇さんの送別会を開催します | 誰のための会かを最初に書く |
| 日時 | 〇月〇日(金)19時〜21時 | 曜日と終了時刻まで入れる |
| 場所 | 居酒屋〇〇 〇〇店(〇〇駅 徒歩3分) | 店名だけでなく最寄り駅も |
| 会費 | 5,000円(当日集金) | 集金方法まで書くと質問が減る |
| 出欠の回答期限 | 〇月〇日(水)まで | 店の予約締切より数日早めに |
| 回答方法 | このメールに返信ください | フォームや対面でも可 |
| 幹事の連絡先 | 〇〇部 〇〇(内線〇〇) | 当日の遅刻連絡先にもなる |
会場の地図やURLを添えられるなら、そこまで入れておくと親切です。ただし本文が長くなるほど読み飛ばされます。詳細は末尾にまとめ、上のほうは日時と場所だけにしておくと読みやすくなります。
件名は「用件+回答期限」で作る
社内メールは1日に何十通も届きます。件名に用件と期限の両方を入れておくと、後回しにされにくくなります。
- 【出欠回答〆切:〇月〇日】〇〇さん送別会のご案内
- 〇〇さん送別会のご案内(〇月〇日開催・要返信)
- 【〇〇部】歓送迎会のご案内|〇月〇日(金)19時〜
案内を出すのは2週間〜1か月前が目安
送別会の案内は、開催の2週間から1か月ほど前に出すのが目安とされています。早すぎると忘れられ、遅すぎると予定が埋まってしまうためです。人数の多い部署や、社外の方を招く場合は1か月前を意識しましょう。
回答期限は、お店の人数変更の締切より3日ほど手前に置いておくと安心できます。締切当日ぴったりに設定すると、返事が遅れた人の分を調整する余裕がなくなります。
案内文づくりで迷ったら、「日時・場所・会費・締切」の4点だけ先に決めてしまいましょう。ここが固まれば、あとの文章は例文の差し替えで完成します。
【社内メール】送別会の案内文 例文5選(コピペOK)
ここからは、送別の理由ごとの例文です。骨組みは同じでも、退職と異動、定年退職では触れてよい話題が変わります。近いものを選んで、日付と名前を入れ替えてお使いください。

退職する方の送別会
もっとも使う機会が多い基本形です。退職理由には触れず、感謝を伝える場であることだけを書きます。
件名:【出欠回答〆切:〇月〇日】〇〇さん送別会のご案内
〇〇部の皆様
お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。
このたび、〇月〇日をもって〇〇さんが退職されることになりました。つきましては、これまでのお礼をお伝えする場として、下記のとおり送別会を開催いたします。
日時:〇月〇日(金)19時〜21時/場所:居酒屋〇〇 〇〇店(〇〇駅 徒歩3分)/会費:5,000円(当日集金)
ご出欠は〇月〇日(水)までに、本メールへの返信でお知らせください。皆様お忙しいところ恐縮ですが、ぜひご参加いただけますと幸いです。
〇〇部 〇〇(内線〇〇)
アレンジのポイントは、2段落目です。在籍年数や担当業務を一言添えると、宛先の全員に「誰のことか」がすぐ伝わります。「入社以来〇年にわたり〇〇を担当された〇〇さん」といった形で十分です。
異動・転勤される方の送別会
異動は別れではなく、社内での配置換えです。「お別れ」より「新天地へのはなむけ」という書き方にすると、場の雰囲気に合います。
件名:〇〇さん送別会のご案内(〇月〇日開催・要返信)
〇〇部の皆様
お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。
〇月〇日付の人事異動により、〇〇さんが〇〇支店へ異動されることになりました。新天地でのご活躍を願い、下記のとおり送別会を開きます。
日時:〇月〇日(木)19時〜/場所:〇〇(〇〇駅前)/会費:4,000円(事前集金)
準備の都合上、〇月〇日(月)までに出欠をご返信ください。当日は簡単な記念品もお渡しする予定です。
〇〇部 〇〇(内線〇〇)
異動先が同じ社内なら、「またお会いできる機会もありますが」と一言添えると自然です。反対に遠方への転勤なら、送別の色を少し濃くしても構いません。
送られる本人が当日どう挨拶するかは、こちらの記事にまとめています。幹事から本人へ案内するときに添えても喜ばれます。

定年退職される方の送別会
定年退職は、長い勤続をねぎらう場です。ふだんより少し改まった言葉づかいにし、部署をまたいだ参加を呼びかけることが多くなります。
件名:【〇月〇日】〇〇さんの定年退職に伴う送別会のご案内
社員の皆様
お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。
〇月〇日をもちまして、〇〇さんが定年退職を迎えられます。長年にわたるご尽力に感謝を込めて、下記のとおり送別会を催したく存じます。
日時:〇月〇日(金)18時30分〜/場所:〇〇ホテル 〇〇の間/会費:6,000円(当日受付にて)
部署を問わずご参加いただけます。〇月〇日(金)までに出欠をご返信ください。ご一緒にお祝いいただけますと幸いです。
〇〇部 〇〇(内線〇〇)
会場がホテルや料亭になる場合は、服装の目安を一行足しておくと参加者が迷いません。「平服でお越しください」の一言があるだけで、当日の問い合わせが減ります。

産休・育休に入る方の送別会
復帰を前提とした一時的なお休みなので、「送別」より「壮行」に近い書き方になります。体調に配慮し、参加を強制しない一文を入れましょう。
件名:〇〇さんの産休前ランチ会のご案内(〇月〇日)
〇〇部の皆様
お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。
〇月〇日から産休に入られる〇〇さんを囲んで、下記のとおりランチ会を開きます。短い時間ですが、ゆっくりお話しできればと思います。
日時:〇月〇日(水)12時〜13時/場所:〇〇(社内〇階 会議室A)/会費:1,500円(軽食代)
〇〇さんの体調を優先しますので、当日変更の可能性があります。ご出欠は〇月〇日(金)までにご返信ください。
〇〇部 〇〇(内線〇〇)
飲み会ではなくランチ会や、就業時間内の茶話会にする配慮も広がっています。時間帯を昼にするだけで、参加できる人の幅も広がります。
歓送迎会(送別と歓迎をまとめる場合)
異動の時期は、去る人と来る人が重なります。1通で両方を案内するときは、送別と歓迎の両方の名前を本文に書き、どちらが主役かに偏らないようにします。
件名:【〇〇部】歓送迎会のご案内|〇月〇日(金)19時〜
〇〇部の皆様
お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。
〇月〇日付の人事異動に伴い、〇〇支店へ異動される〇〇さんの送別と、新たに着任された〇〇さんの歓迎を兼ねて、歓送迎会を開催します。
日時:〇月〇日(金)19時〜21時/場所:〇〇 〇〇店/会費:5,000円(当日集金)
〇月〇日(火)までに出欠をご返信ください。新旧のメンバーが顔を合わせる機会ですので、ぜひご参加ください。
〇〇部 〇〇(内線〇〇)
【相手・手段別】送別会の案内文の書き分け
同じ内容でも、社外に出す案内状と休憩室に貼る掲示では、必要な丁寧さがまったく違います。ここでは4つの場面に分けて、書き分けの型を紹介します。
社外の取引先・OBへ送る案内状
社外向けは、時候の挨拶から始まる案内状の形にします。社内メールで使う「お疲れ様です」は身内向けの言葉なので、ここでは使いません。
拝啓 〇〇の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、弊社〇〇部の〇〇が、〇月〇日をもちまして退職いたすこととなりました。つきましては、長年お世話になりました皆様とともに、ささやかながら送別の宴を催したく存じます。
ご多用のところ恐縮ではございますが、ご出席賜りますようお願い申し上げます。 敬具
日時:〇月〇日(金)午後6時30分/会場:〇〇ホテル 〇〇の間/会費:〇〇円
お手数ですが、〇月〇日までに同封のはがき、または下記へご一報ください。
社外の方を招く場合、会費を取るかどうかは会社の慣例に従います。招待として会費なしにするなら、案内文にも「会費は不要でございます」と明記しておくと、当日の気づまりがありません。
掲示・回覧で配る案内文
掲示は、立ったまま数秒で読まれます。挨拶文を削り、箇条書きだけにしたほうが伝わります。
〇〇さん 送別会のお知らせ
- 日時:〇月〇日(金)19時〜21時
- 場所:居酒屋〇〇 〇〇店(〇〇駅 徒歩3分)
- 会費:5,000円(当日集金)
- 締切:〇月〇日(水)までに下の出欠表へ記入をお願いします
- 幹事:〇〇部 〇〇(内線〇〇)
掲示にする場合は、出欠表を同じ紙面に用意しておくと回収が早くなります。名前の横に「出・欠」の丸をつけてもらうだけで十分です。
Teams・Slack・LINEで送る短文
チャットは長文が読まれません。3行にまとめ、詳細は別途共有する形が現実的です。
- お疲れ様です。〇月〇日(金)19時から、〇〇さんの送別会を〇〇で行います。会費5,000円、〇日(水)までにこのスレへ出欠のスタンプをお願いします。
- 【送別会】〇/〇(金)19:00〜 〇〇店/5,000円/〇/〇までに参加可否をリアクションでお知らせください。
- 〇〇さんの送別会、〇/〇(金)19時からです。詳細はメールを送っていますので、ご確認のうえ返信をお願いします。
本人へ送る案内文
主役である本人には、全体宛とは別に一通送ります。参加のお願いではなく、日程の相談という形にすると角が立ちません。
〇〇さん
お疲れ様です。〇〇です。
〇〇さんの送別会を〇月〇日(金)19時から〇〇で開かせていただきたく、ご都合をうかがえればと思いご連絡しました。皆さんからお礼を伝えたいという声が多く上がっています。
ご負担のない範囲で構いませんので、ご都合の悪い日があればお知らせください。日程を調整いたします。
サプライズにしたい場合は、本人への案内を出さない代わりに、当日まで自然に予定を空けてもらう工夫が必要です。「〇日に打ち合わせの後、少し時間をもらえますか」といった形で、時間だけ押さえておきます。
出欠確認・リマインド・会費まわりの文例
案内を出したあとの仕事は、返事を集めることです。ここでつまずくと、人数が確定せず予約が変更できません。回答しやすい形と、催促の言い方を用意しておきましょう。

出欠は「返信するだけ」の形にする
回答の手間が増えるほど、返事は遅れます。案内文の末尾に、そのまま消して返せる形式を入れておくのがおすすめです。
- お名前:/出欠:参加・不参加(どちらかを残して返信してください)
- 参加の可否と、遅れて参加される場合の到着予定時刻をお知らせください。
- アレルギーや苦手な食材があれば、あわせてご記入ください。
社内にアンケートツールがあるなら、そちらへのリンクを1本貼るだけで済みます。回答状況がひと目で分かるので、締切前の確認も楽になります。
リマインド(催促)メールの文例
締切の2〜3日前に、まだ返事のない人へ向けて一通出します。個別に送ると角が立つので、全体宛に「未回答の方へ」と書くのが無難です。
件名:【再送・〇月〇日締切】〇〇さん送別会の出欠について
お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。
先日ご案内した送別会について、出欠の回答期限が〇月〇日(水)に迫っております。すでにご返信いただいた方は行き違いご容赦ください。
まだの方は、お手数ですが本メールへの返信で参加の可否をお知らせください。人数確定のため、ご協力をお願いいたします。
欠席・会費の連絡への返し方
欠席の連絡には、理由を尋ねずに一言で受け止めます。短くても返信があるだけで、相手は気にせずに済みます。
- ご連絡ありがとうございます。承知しました。またの機会にぜひご一緒させてください。
- 承知しました。当日の様子はまた共有しますね。お気遣いありがとうございます。
- ご都合とのこと承知しました。寄せ書きは回しますので、一言いただけると嬉しいです。
欠席する人にも、色紙や寄せ書きで参加してもらう手があります。当日渡す品を用意するなら、案内文の段階で「寄せ書きを回します」と書いておくと、書く時間を確保しやすくなります。

送別会の案内文でやりがちなNGとマナー
案内文でのつまずきは、情報の抜けよりも言葉づかいと配慮の面で起きます。ここだけ押さえておけば、大きな失礼にはなりません。
「ご苦労様です」は使わない
社内メールの書き出しは「お疲れ様です」が基本です。「ご苦労様です」は目上の人が目下の人をねぎらう言葉とされているため、部署全体に送る案内文には向きません。
| NG表現 | 言い換え | 理由 |
|---|---|---|
| ご苦労様です | お疲れ様です | 目上から目下へ向けた言葉にあたる |
| ご退職される〇〇さんを慰め | 感謝をお伝えする場として | 「慰める」は本人に失礼になりうる |
| 強制参加でお願いします | ぜひご参加いただけますと幸いです | 参加を断る余地を残す |
| 最後の別れの場です | これまでのお礼をお伝えする場です | 別れを強調しすぎない |
サプライズなら宛先に本人を入れない
案内を全体宛のメーリングリストで送ると、本人にも届きます。サプライズにしたいときは、宛先から本人を外したうえで、返信先も幹事個人に限定しておきましょう。
宛先をひとりずつ指定するときは、送信前に必ず一覧を読み直します。本人が入っていないかの確認は、送ってからでは取り返せません。
退職理由には触れない
転職・家庭の事情・体調など、退職の理由はさまざまです。案内文に書く必要はありませんし、本人が伝えていない情報を幹事が広めてしまう恐れもあります。
お祝いの席では「別れる」「終わる」「切れる」といった言葉も避けるのが慣例です。とはいえ、案内文で使う場面はほとんどありません。「お別れ会」という言い方だけ、「送別会」に直しておけば十分です。

よくある質問
- 送別会の案内はいつ出せばよいですか?
-
開催の2週間から1か月前が目安です。社外の方を招く場合や参加人数が多い場合は、1か月前を意識すると予定を押さえてもらいやすくなります。
- 案内メールの宛先に本人を入れてもよいのでしょうか?
-
サプライズにしないのであれば、入れて問題ありません。ただし全体宛の文面は参加を募る内容なので、本人には別途「ご都合はいかがですか」と個別に連絡するほうが丁寧です。
- 会費は案内文に書くべきですか?
-
必ず書いてください。金額と集金方法(当日集金か事前集金か)の両方があると、参加する側が準備できます。主役の分を参加者で負担する場合も、その旨を書いておくと会計が透明になります。
- 出欠の返事が集まりません。どうすればよいですか?
-
締切の2〜3日前に、全体宛でリマインドを一通送ります。個別に催促すると角が立つため、「行き違いの場合はご容赦ください」と添えた全体連絡が無難です。
- 異動と退職では案内文を変えたほうがよいですか?
-
変えたほうが自然です。異動は社内での配置換えなので「新天地でのご活躍を願って」と書き、退職は「これまでのお礼をお伝えする場」とします。骨組みは同じで、趣旨の一文だけを差し替えれば足ります。
- 社外の方を送別会に招くときの案内文は社内向けと同じでよいですか?
-
別に用意します。社外向けは「拝啓」から始まる案内状の形にし、社内で使う「お疲れ様です」は使いません。会費の有無も、社内向けとは分けて明記してください。
- お店が決まっていない段階で案内を出してもよいですか?
-
日程だけ先に押さえたい場合は、「会場は決まり次第あらためてご連絡します」と添えて出して構いません。その場合も、日時・会費の目安・回答期限の3つは入れておきましょう。
まとめ
送別会の案内文は、日時・場所・会費・出欠の期限という4点が揃っていれば形になります。文章のうまさより、読んだ人がその場で予定を決められるかどうかが評価の分かれ目です。
理由によって書き分けるのは、趣旨を伝える一文だけで足ります。退職なら「これまでのお礼をお伝えする場」、異動なら「新天地でのご活躍を願って」、定年退職なら「長年のご尽力に感謝を込めて」と置き換えれば、残りは共通の型で通せます。
あとは、送る相手に合わせて丁寧さを調整するだけです。社内はメール、社外は案内状、掲示は箇条書き、チャットは3行。この使い分けを覚えておけば、次に幹事を任されたときも迷わずに済みます。
案内文に迷ったら、7つの必須項目を上から並べて、趣旨の一文だけ差し替える。この手順でどの送別会にも対応できます。
