「お花代の書き方が知りたいけれど、封筒の表書きや名前をどう書けばいいのか迷ってしまう」。そんな方は少なくありません。実はお花代は、お葬式で渡す弔事のケースと、開店祝いなどで渡す慶事のケースがあり、書き方が変わります。
この記事では、表書き・名前・金額の書き方を場面別に整理してわかりやすく解説します。まず自分のケースがどちらなのかを見極めれば、迷わず正しく書けるようになります。
お花代とは?「書き方」の前に知っておきたい2つの場面
お花代の書き方を確認する前に、まず「どの場面のお花代なのか」をはっきりさせておきましょう。同じ「お花代」という言葉でも、渡す場面によって意味も書き方も変わるからです。大きく分けると、弔事と慶事の2つの場面があります。
弔事(葬儀・法要)のお花代
弔事のお花代とは、お葬式や法要のときに、故人へ供える花の代金として遺族に渡すお金のことです。祭壇や会場を飾る供花の代わりとして、あるいは香典に近い意味合いで渡します。多くの人が「お花代」と聞いてイメージするのは、こちらの弔事のケースでしょう。
弔事のお花代は、悲しみの場にふさわしい落ち着いた形式が求められます。封筒選びから墨の色まで、慶事とはまったく異なるマナーがあります。
慶事(開店祝い・発表会)のお花代
一方、慶事のお花代は、お祝いの場で花の費用として渡すお金を指します。たとえば次のような場面です。
- お店の開店祝い・開業祝い
- 発表会や演奏会への差し入れ
- 就任祝いや周年記念のお祝い
この場合のお花代は、「花を贈りたいけれど品物選びを相手に任せたい」ときや、有志で費用を出し合うときに使われます。同じ言葉でも、こちらは明るくおめでたい場面のお金です。
まず確認:弔事か慶事かで書き方は変わる
あなたのお花代は「弔事」ですか、「慶事」ですか。表書きの言葉・墨の色・封筒の種類がすべて変わります。まずここを見極めることが、正しい書き方への近道です。
弔事と慶事では、書き方の基本ルールが正反対になる部分もあります。たとえば墨の色は、弔事では薄墨、慶事では濃い墨が基本です。次の章から、表書き・名前・金額の順に、それぞれの書き方を場面別に見ていきましょう。

お花代の書き方【表書き編】場面別の正しい書き分け
表書きとは、封筒の表面の上部中央に書く名目のことです。お花代の表書きは、弔事か慶事かで使う言葉が変わります。ここを間違えると相手に違和感を与えてしまうため、しっかり確認しておきましょう。
弔事の表書き(御花代・御花料)
弔事のお花代の表書きは、封筒の上段中央に縦書きで書きます。よく使われるのは次の言葉です。
- 御花代(おはなだい)
- 御花料(おはなりょう)
- お花代
「御花料」はキリスト教式でよく使われますが、宗派を問わず使える表現でもあります。仏式で香典とは別に渡す場合は「御花代」が一般的です。どれを選ぶか迷ったときは、地域や家の慣習に合わせるとよいでしょう。
慶事の表書き(お花代・御祝)
慶事のお花代の表書きには、次のような言葉を使います。
- お花代/御花代
- 御祝(おいわい)
- 祝御開店(開店祝いの場合)
単純に花の費用として渡すなら「お花代」、お祝い全体の気持ちを込めるなら「御祝」がなじみます。開店祝いや発表会など、シーンに合わせた言葉を選びましょう。慶事では、封筒の水引の下に贈り主の名前を書きます。
薄墨と濃い墨の使い分け
お花代の書き方でとくに間違えやすいのが、墨の色です。場面によって正反対になるため、下の表で確認してください。
| 場面 | 墨の色 | 理由・意味 |
|---|---|---|
| 弔事(葬儀・通夜) | 薄墨 | 「悲しみで涙が墨を薄めた」という弔意を表す |
| 弔事(四十九日以降の法要) | 濃い墨でも可 | 時間が経ち、気持ちが落ち着いたとされるため |
| 慶事(開店祝いなど) | 濃い墨 | はっきりとした明るい気持ちを表す |

薄墨用の筆ペンは、コンビニや文具店で手に入ります。通夜や葬儀で使うなら、一本用意しておくと安心ですね。
お花代の書き方【名前編】個人・連名・会社名
名前の書き方は、弔事・慶事ともに基本の考え方は共通です。誰が出したのかがひと目で伝わるように書くのがポイントになります。人数や立場によって書き方が変わるので、ケース別に見ていきましょう。
個人で出す場合
一人でお花代を出す場合は、表書きの下(水引の下段中央)にフルネームを縦書きで書きます。姓だけでなく、名前まで書くのが丁寧です。読み間違いを防ぐためにも、はっきりと楷書で書きましょう。
連名(2〜3名・4名以上)の書き方
複数人でお花代を出すときは、人数によって書き方を変えます。
全員のフルネームを、右から左へ順に並べて書きます。立場に上下がある場合は、目上の人を一番右に書きます。同格なら五十音順でかまいません。
表面には代表者のフルネームを書き、左脇に「外一同(ほかいちどう)」と小さく添えます。全員の氏名は別紙に書いて、中袋に入れておきましょう。
別紙には、全員のフルネームと、それぞれの金額を記します。誰がいくら出したかを遺族や幹事が把握しやすくなります。
会社・団体として出す場合
会社や部署として渡す場合は、中央に代表者名を書き、その右側に会社名・団体名を少し小さめに添えます。部署一同で出すときは「株式会社○○ 営業部一同」のように書くとよいでしょう。役職を入れる場合は、名前の右上に小さく添えます。


お花代の書き方【金額・中袋編】
お花代には、金額を書く中袋(なかぶくろ)がついている場合があります。中袋の書き方にもルールがあり、とくに金額の数字は普段と違う漢字を使うのがマナーです。順番に確認していきましょう。
中袋(内袋)の表・裏の書き方
中袋は、お金を包む内側の袋です。表と裏で書く内容が分かれています。
| 場所 | 書く内容 |
|---|---|
| 中袋の表(中央) | 金額(漢数字・大字で縦書き) |
| 中袋の裏(左下) | 郵便番号・住所・氏名 |
住所と氏名を書いておくと、遺族や幹事が後で確認しやすくなります。中袋がない封筒の場合は、封筒の裏面の左下に住所と金額を書きましょう。
数字は漢数字(大字)で書く
中袋の金額は、「一・二・三」ではなく、大字(だいじ)と呼ばれる旧字体で書くのが正式なマナーです。あとから数字を書き足されるのを防ぐ意味があります。
| 金額 | 大字での書き方 |
|---|---|
| 3,000円 | 金参仟円(または金参阡円) |
| 5,000円 | 金伍仟円 |
| 10,000円 | 金壱萬円 |
| 30,000円 | 金参萬円 |
金額の頭に「金」を付け、末尾に「円」または「圓」を付けます。「也(なり)」は付けても付けなくても問題ありません。
金額相場の目安(場面別)
お花代の金額は、場面や関係性によって幅があります。あくまで一般的な目安として、下の表を参考にしてください。
| 場面 | 金額の目安 |
|---|---|
| 弔事(供花の代わり・1基分) | 7,000円〜15,000円程度 |
| 弔事(香典に近い意味合い) | 香典の相場に準じる |
| 慶事(開店祝いなどで有志として) | 3,000円〜10,000円程度 |
金額は地域やしきたりによって差があります。会社や有志でまとめて出す場合は、幹事に確認して足並みをそろえると安心です。封筒の選び方や中袋の詳しい書き方は、次の記事で図解を交えて解説しています。


慶事で花そのものを贈りたい場合は、開店祝いの花や胡蝶蘭のマナーもあわせて確認しておくとよいでしょう。


お花代の書き方でよくある疑問Q&A
- お花代の封筒はボールペンで書いてもいいですか?
-
正式には筆ペンや毛筆で書くのがマナーです。弔事なら薄墨の筆ペン、慶事なら濃い墨の筆ペンを使いましょう。どうしても用意できない場合はサインペンでも代用できますが、ボールペンは避けたほうが無難です。
- 「御花代」と「御花料」はどちらが正しいですか?
-
どちらも間違いではありません。仏式で香典とは別に渡すなら「御花代」、キリスト教式や宗派を問わず使いたいときは「御花料」が使いやすい表現です。迷ったら家や地域の慣習に合わせましょう。
- 中袋がない封筒のときはどう書けばいいですか?
-
封筒の裏面の左下に、住所・氏名・金額をまとめて書きます。金額は大字(旧字体)で書くのが正式ですが、読みやすさを優先して普通の漢数字にする場合もあります。
- 慶事のお花代に薄墨を使ってはいけませんか?
-
はい、慶事では濃い墨を使います。薄墨は弔事で弔意を表すための色なので、お祝いの場では避けましょう。明るくはっきりとした濃い墨で書くのがふさわしいです。
まとめ|お花代の書き方は「場面の見極め」から
1. まず弔事か慶事かを見極める(すべての書き方の起点)
2. 表書きと墨の色を場面に合わせる(弔事は薄墨、慶事は濃い墨)
3. 中袋の金額は大字で、住所・氏名も忘れずに書く
お花代の書き方は複雑に見えますが、「弔事か慶事か」を最初に確認すれば、あとは表書き・名前・金額のルールに沿って書くだけです。場面に合った言葉と墨の色を選び、相手に気持ちがきちんと伝わるお花代を用意しましょう。
迷ったときは、この記事の場面別の表を見返してみてください。弔事・慶事どちらのケースでも、落ち着いて正しく書けるはずです。








