卒業文集の原稿用紙を前にして、「どう書けば読んだ人の心に残るんだろう」と手が止まっていませんか。テーマは決まっていても、いざ書き始めると「楽しかったです」ばかりが並んでしまう、というのはとてもよくある悩みです。
この記事では、小学生の卒業文集で使える感動する例文を、テーマ別に10本すべて全文で紹介します。思い出・友達・先生・成長・将来の夢と、書きたい内容から選べるようにしました。例文ごとに「どこを自分の話に差し替えるか」も添えています。
先に結論をお伝えすると、読む人の心が動く卒業文集は、特別な出来事を書いた文章ではありません。ありふれた一場面を、そのときの行動やセリフごと細かく描いた文章です。まずはその共通点から見ていきましょう。
感動する卒業文集に共通する3つのポイント
感動を呼ぶ卒業文集には、はっきりした共通点があります。それは「場面をしぼる」「気持ちを見せる」「未来につなぐ」の3つです。この3つを押さえるだけで、同じ思い出を書いても文章の印象は大きく変わります。
思い出をぜんぶ書かず、「一場面」だけを切り取る
6年間の思い出をすべて入れようとすると、行事の名前が並ぶだけの文章になります。運動会も遠足も修学旅行も、と欲張るほど一つひとつが浅くなってしまうのです。
思い切って、心に残っている場面をひとつだけ選んでください。しかも「修学旅行」ではなく「修学旅行の夜、部屋で友達と話したこと」くらいまでしぼるのがコツです。時間にして数分の出来事で十分足ります。
気持ちは言葉で説明せず、「行動」と「セリフ」で見せる
「うれしかったです」「感動しました」と書いても、読んだ人の心は動きません。気持ちを表す言葉は、書いた本人にしか温度が伝わらないからです。
代わりに、そのとき自分が何をしたか、だれが何と言ったかを書きます。読んだ人は場面を思い浮かべ、気持ちのほうを自分で感じ取ってくれます。次の2つを読み比べてみてください。
運動会のリレーで、クラスのみんなが応援してくれてうれしかったです。とても感動して、一生の思い出になりました。
バトンをもらったとき、ぼくは三位でした。トラックの内側から「まだいける!」という声が聞こえて、顔を上げると、赤白帽をふり回している友達の姿がありました。足はもう限界でしたが、そこから最後の一人を抜きました。ゴールしてすぐ、その友達がかけ寄ってきて、何も言わずに背中をたたきました。
後者には「うれしい」も「感動」も一度も出てきません。それでも気持ちは伝わります。これが感動する卒業文集の書き方の中心にある考え方です。
最後に「今の自分」と「これから」をつなぐ
思い出を書いて終わると、感想文のまま終わってしまいます。卒業文集は卒業する自分が書く文章なので、その出来事が今の自分にどう残っているかを最後に一文入れると、ぐっと締まります。
「場面をひとつにしぼる」「行動とセリフで見せる」「最後に今とこれからをつなぐ」。この3つだけ覚えておけば、あとはどのテーマを選んでも大丈夫です。

【思い出編】感動する卒業文集の例文3選
ここからは、そのまま参考にできる例文を全文で紹介します。まずは行事の思い出を書くパターンです。行事そのものではなく、その中の数分間を書くという前のセクションの考え方が、実際にどう文章になるかを確かめてみてください。

運動会のリレーを書いた例文(約400字)
ぼくの一番の思い出は、六年生の運動会のリレーです。
ぼくは走るのがおそくて、選手に選ばれたときは正直こまりました。足を引っぱるかもしれないと思ったからです。放課後、こっそり校庭で走る練習をしていると、同じチームの田中さんが「バトンの受け取り方だけでも変わるよ」と言って、何日も付き合ってくれました。
本番、ぼくがバトンをもらったときは三位でした。息が上がって前が見えなくなりそうでしたが、コースの外から「まだいける」と声がしました。顔を上げると、赤白帽をふっているクラスのみんなが見えました。気がつくと、前の一人を追いこしていました。
順位は二位で、優勝はできませんでした。それでもゴールした後、田中さんが走ってきて何も言わずに背中をたたいてくれたことを、ぼくは今でもはっきり覚えています。
中学校でも、うまくできないことから先ににげない自分でいたいです。
アレンジのポイント:「走るのがおそい」という弱みを最初に出しているので、二位という結果でも読み手の心が動きます。自分が苦手だったこと、助けてくれた人の実際のひとことの2か所を差し替えれば、そのまま自分の文章になります。優勝や一位で終わらせる必要はありません。
修学旅行の思い出を書いた例文(約400字)
修学旅行で一番心に残っているのは、有名なお寺でも、おみやげ屋さんでもありません。二日目の夜、旅館の部屋で話したことです。
消灯の時間が過ぎても、わたしたちは布団の中で小さな声で話し続けていました。話題は、将来なりたいものと、中学校でどのクラブに入るかでした。ふだんはふざけてばかりの山口さんが「本当は先生になりたい」と言ったとき、部屋の中が少し静かになりました。だれも笑わず、「にあってるよ」と一人が言いました。
六年間同じクラスにいたのに、知らないことがまだこんなにあったんだと思いました。
次の日の朝、山口さんはまたいつも通りふざけていました。それがなんだかうれしくて、わたしはこの夜のことを一生わすれないと思います。中学校でちがう学校に行っても、あの夜の話をおぼえていたいです。
アレンジのポイント:「有名な場所ではなく、夜の部屋」と、あえて主役をずらしているのがこの例文の型です。見学先の感想文になりそうなときは、移動中のバス、班で迷子になった時間、部屋の消灯後など、行事のすきまの時間を思い出してみてください。感動する場面はそこにあることが多いです。
音楽会・合唱の思い出を書いた例文(約600字)
わたしのクラスは、音楽会の練習が始まったころ、まったくまとまっていませんでした。
男子は声を出さず、女子は「ちゃんと歌ってよ」と何度も注意していました。練習のたびに空気が重くなって、指揮者になったわたしは、こんな合唱なら出たくないとまで思っていました。
変わったのは、本番の一週間前です。いつもは注意される側だった森田さんが、練習の最後に「もう一回だけやろう」と言いました。だれも文句を言いませんでした。その日のパート練習で、はじめて男子の声が音楽室のうしろまで届きました。となりで歌っていた友達が、小さく「すごい」と言ったのを覚えています。
本番のステージは、練習よりずっと短く感じました。歌い終わって顔を上げたとき、体育館の後ろで担任の先生が何度もうなずいていました。教室にもどってから、だれからともなく拍手が起きました。
賞は取れませんでした。それでもわたしは、あの一週間でクラスがひとつになったと思っています。
人の気持ちは、注意しても動かないことがあります。動くのは、だれかが先に本気を見せたときです。中学校でも、めんどうくさがらずに最初の一人になれる人でいたいです。
アレンジのポイント:うまくいかなかった時期から書き始めるのが、この例文の型です。最初に「まとまっていなかった」と正直に書いているから、最後の変化が生きます。合唱でも、劇でも、クラブでも同じ形で使えます。最初からうまくいった話は、感動する文章になりにくいと覚えておいてください。
【友達・先生への感謝編】感動する卒業文集の例文3選
感謝を書くテーマは、「ありがとう」という言葉をどこまで使わずに書けるかが勝負になります。ここでは友達・先生・クラス全体の3パターンを紹介します。
けんかした友達へ向けた例文(約400字)
五年生のとき、わたしは一番仲のよかった友達と一か月くらい口をきかない時期がありました。
きっかけは、今思えばささいなことでした。それなのに、あやまるタイミングがわからなくなって、教室で目が合うたびに下を向いていました。休み時間がこんなに長いと感じたのは、あのころだけです。
ある日の掃除の時間、たまたま同じ場所のそうじ当番になりました。ぞうきんをしぼりながら、その子が「バケツ、持つよ」と言いました。それだけです。それだけで、わたしは泣きそうになりました。
結局、けんかの理由については最後まで話しませんでした。かわりに、次の日から前と同じようにお昼を食べました。
中学校は別々の学校になります。それでも、こまっているときに何も聞かずにバケツを持てる人でいたいと思っています。
アレンジのポイント:けんかの原因を書かないのがこの例文のポイントです。原因を細かく書くと、相手を責める文章に見えてしまいます。仲直りできた一場面だけを書けば、読む人にも相手にも角が立ちません。文集は相手も読むということを忘れずに書いてください。
お世話になった先生へ向けた例文(約600字)
ぼくは、四年生のときの担任の先生に言われた言葉を、今でも覚えています。
そのころのぼくは、テストの点が悪いのが自分のせいだと思えなくて、教科書がわかりにくいとか、時間が足りなかったとか、いつも言い訳ばかりしていました。ある日の放課後、先生に呼ばれて、しかられると思って身がまえました。
けれど先生は「答え合わせ、いっしょにやろうか」と言っただけでした。まちがえた問題を一問ずつ見ながら、「ここまでは合ってるね」と何回も言われました。ぼくは、自分がどこまでできていたのかを、そのとき初めて知りました。
帰りぎわ、先生が「できないんじゃなくて、まだやってないだけだよ」と言いました。ぼくはうまく返事ができなくて、小さくうなずいて教室を出ました。
それから急に成績が上がったわけではありません。それでも、テストが返ってきたときに、まず合っているところを見るようになりました。
先生、あのときぼくをしからないでいてくれて、ありがとうございました。中学校でわからないことにぶつかったら、まだやっていないだけだと思って机に向かいます。
アレンジのポイント:先生への感謝は「やさしい先生でした」「たくさん教えてくれました」で終わりがちです。そうならないために、先生に言われたひとことを、そのままかぎかっこで書き残すことをおすすめします。ひとことが思い出せない場合は、先生がしてくれた行動をひとつだけ書けば十分です。
クラス全体へ向けた例文(約400字)
六年二組は、正直に言うとまとまりのあるクラスではありませんでした。
話し合いはいつも時間ぎれになり、係の仕事もだれかがやりのこしていました。それでも、だれかが一人になっているのを見たとき、必ずだれかが横に行くクラスでした。わたしが図工の作品をこわしてしまった日も、気づいたら三人が集まって、いっしょに直してくれました。
行事で優勝したことは一度もありません。写真に残るような場面も少ないと思います。それでも、朝教室のドアを開けたときの、あのうるさい感じを、わたしは覚えていたいです。
みんな、六年間ありがとう。中学校でどこかの道ですれちがったら、あのころみたいに大きな声で名前を呼んでください。
アレンジのポイント:クラス全体をほめようとすると、どのクラスにも当てはまる文章になります。この例文のように足りなかったところを先に認めてから、それでも良かった点をひとつ挙げると、そのクラスにしか書けない文章になります。「朝のうるさい感じ」のような、写真に写らないものを書くのがコツです。

【成長・将来の夢編】感動する卒業文集の例文4選
「がんばったこと」や「将来の夢」は卒業文集の定番テーマですが、書き方をまちがえると作文の宿題のようになってしまいます。ここでは、定番テーマでも心に残る形にした例文を4本紹介します。
苦手を克服したことを書いた例文(約400字)
ぼくは五年生まで、二十五メートルを泳ぎきったことがありませんでした。
プールの授業がある日は、朝から気が重くて、雨がふらないかと本気で思っていました。とちゅうで足をついてしまうたびに、うしろの人を待たせているのがはずかしかったです。
六年生の夏、ぼくは水泳の補習に参加しました。先生に教わったのは、速く泳ぐ方法ではなく、息をはくタイミングだけでした。それを直した三回目の練習で、気づいたら手が壁についていました。顔を上げると、プールサイドで先生が親指を立てていました。
タイムはクラスで一番おそかったと思います。それでも、あの日の水の中の静けさは今でも思い出せます。
できないことは、やり方を変えればできるようになる。ぼくが六年間で一番学んだのはこのことです。
アレンジのポイント:できるようになった瞬間を体で感じたこと(手が壁についた、水の中が静かだった)で書いているのが、この例文の型です。「うれしかった」と書くよりも場面が伝わります。逆上がり、なわとび、九九、発表など、どんな苦手にも当てはめられます。
係・委員会でがんばったことを書いた例文(約400字)
わたしは六年生で飼育委員になりました。第一希望ではありませんでした。
仕事は、朝の八時前に来てウサギ小屋のそうじをすることです。冬の朝はホースの水がつめたくて、正直、休みたいと思った日もありました。だれかにほめられる仕事でもありません。
それでも一年間続けられたのは、一年生の子たちが金あみごしに毎日のぞきに来たからです。「今日も元気?」と聞かれるたびに、来てよかったと思いました。
三月の当番が終わった日、飼育小屋の前でウサギをしばらく見ていました。来年からはだれかがこの仕事をするんだな、と思いました。
目立たない仕事をきちんとやる人が、学校を動かしているのだと思います。中学校でも、そういう人でいたいです。
アレンジのポイント:「第一希望ではなかった」と正直に書き出しているので、続けたことの重みが伝わります。委員会・係・当番の話は地味に見えますが、だれも見ていない時間のことを書けるのはその人だけです。かえって印象に残る一本になります。
将来の夢を書いた例文(約400字)
わたしの夢は、看護師になることです。
三年生のとき、けがをして何日か入院しました。夜、家族がいなくなると心細くて、なかなかねむれませんでした。そんなとき、見回りに来た看護師さんが、わたしの布団のはしを直しながら「あしたの朝はおかあさん来るからね」と小さな声で言ってくれました。
特別なことをしてもらったわけではありません。それなのに、その夜はすぐにねむれました。
だれかが一番不安なときに、そばにいて短い言葉をかけられる人になりたいと思っています。そのためには、理科や保健の勉強がひつようだと聞きました。中学校では、苦手な理科からにげずに取り組みます。
アレンジのポイント:夢そのものより、その夢を持ったきっかけの場面を書くのが感動する書き方です。「かっこいいから」しか理由がない場合でも、いつどこでそう思ったかを思い出すと一場面が見つかります。最後に中学校でやることを一文足すと、卒業文集らしくまとまります。
中学校での目標を書いた例文(約400字)
ぼくが中学校でやりたいのは、手を挙げることです。
小学校の六年間で、ぼくは授業中にほとんど発表しませんでした。答えがわかっていても、まちがえたらどうしようと考えているうちに、だれかが答えてしまうのです。休み時間はよくしゃべるのに、と友達に笑われたこともありました。
六年生の最後の社会の授業で、一度だけ手を挙げました。答えは半分まちがっていましたが、先生は「そこまで合ってるよ」と言って、続きをみんなで考えてくれました。教室はふつうのままでした。何も起きませんでした。
もっと早く気づけばよかったと思います。だから中学校では、一学期に一回でいいので、自分から手を挙げます。
アレンジのポイント:中学校の目標は「勉強も部活もがんばりたい」となりがちです。この例文のように小学校でできなかったことを先に書き、その続きとして目標を置くと、自分だけの文章になります。目標は小さいほど本当らしく読めます。

感動が伝わる書き出し・結びのフレーズと文字数別の組み立て方
例文をそのまま使えないときは、書き出しと結びだけ借りるという方法があります。卒業文集は最初の一文と最後の一文で印象が決まるので、この2か所さえ決まれば、あいだは自分の言葉で埋められます。

心をつかむ書き出しフレーズ10選
説明から入らず、いきなり場面やセリフから始めるのが読ませる書き出しです。「……」の部分を自分の思い出に入れ替えて使ってください。
- ぼくの一番の思い出は、六年生の……です。
- 「……」。あの日言われたこの言葉を、わたしはまだ覚えています。
- 正直に言うと、わたしは……が苦手でした。
- 六年間でたった一度だけ、……したことがあります。
- 今でも目をとじると、あの日の……が浮かびます。
- その日、教室の空気がいつもとちがいました。
- わたしの夢は……です。そう決めたのは、三年生のあの日でした。
- もし六年生の自分に一つだけ言えるなら、……と伝えたいです。
- 六年二組は、決してまとまりのあるクラスではありませんでした。
- あのとき、ぼくはたしかに……と思っていました。
余韻が残る結びフレーズ10選
結びは「これからどうするか」を短く言い切ると決まります。長く書くほどぼやけるので、1〜2文でとめてください。
- 中学校でも、……できる自分でいたいです。
- あの日教わった……を、これからも持っていきます。
- 賞は取れませんでした。それでもわたしは、……と思っています。
- 六年間ありがとう。またどこかで会ったら、名前を呼んでください。
- できないことは、やり方を変えればできる。それが六年間で学んだことです。
- まだ夢のとちゅうですが、はじめの一歩はこの学校でふみ出しました。
- だから中学校では、一学期に一回でいいので……します。
- 先生、あのとき……してくれてありがとうございました。
- 写真には残っていませんが、わたしはこの場面を覚えていたいです。
- この六年間があったから、今のわたしは……と言えます。
200字・400字・800字の組み立て方
卒業文集の分量は学校によって異なりますが、原稿用紙半分から数枚までが一般的です。字数が決まったら、次の配分を目安に組み立てると書きやすくなります。
| 字数 | 組み立て | 入れる場面の数 |
|---|---|---|
| 200字(原稿用紙半分) | 場面(120字)+今とこれから(80字) | 1つ |
| 400字(1枚) | 書き出し(60字)+場面(240字)+結び(100字) | 1つ |
| 600字(1枚半) | 書き出し(80字)+場面(400字)+気づき+結び(120字) | 1つを深く |
| 800字(2枚) | 書き出し(80字)+場面(480字)+気づき(120字)+結び(120字) | 1つ、または関連する2つ |
感動をねらいすぎて失敗するNG例と直し方
感動させようと意識しすぎると、かえって読み手が冷めてしまう文章になります。ここでは小学生の卒業文集でとくに多い3つの失敗と、その直し方を挙げます。
大げさな言葉だけが並んでしまう
「一生わすれない」「かけがえのない宝物」「最高の仲間」といった言葉は、それ自体が悪いわけではありません。ただし、具体的な場面がないまま並べると、どの学校のだれが書いても同じ文章になります。
直し方は簡単で、大げさな言葉を1つ消して、そのぶん場面を1つ足すことです。「最高の仲間でした」を消して、その仲間が実際に言ったひとことを入れるだけで文章が生き返ります。
友達の名前やもめごとを書きすぎてしまう
卒業文集は何十年も残り、書かれた本人もその家族も読みます。けんかやいじめ、失敗談を実名で細かく書くと、読み返すたびに気まずくなる可能性があります。
もめごとにふれる場合は、原因を書かず仲直りできた場面だけにしぼってください。相手を特定したくないときは「ある友達」と書けば十分です。先生の名前や特定の家庭の事情も同じで、迷ったら書かない側を選ぶのが安全です。
例文をそのまま写して自分の話になっていない
例文をそのまま使うと、行事名や人の名前だけが自分のもので、中身が他人の思い出のままになります。これは読む人にも意外と伝わりますし、文集は同じクラスの友達も読むため、似た文章が並んでしまうこともあります。
この記事の例文を使うときは、「実際にあった行動」と「だれかが言ったひとこと」の2か所を必ず自分のものに書きかえてください。この2か所さえ本物なら、残りは型を借りても自分の文章になります。
感動する卒業文集は、うまい文章ではなく本当のことが書いてある文章です。大げさな言葉を減らして、その日あったことを思い出せるだけ細かく書けば、それだけで読む人の心は動きます。
卒業文集の感動する例文についてよくある質問
- 特別な思い出がありません。何を書けばいいですか?
-
感動する卒業文集の題材は、特別な出来事である必要はありません。掃除の時間、給食の配ぜん、休み時間の教室など、毎日くり返していたことのほうが自分にしか書けない場面になります。「だれかにやさしくされた瞬間」を一つ思い出すのが、見つけるときの近道です。
- 例文をそのまま使ってもいいですか?
-
型や書き出しを借りるのは問題ありませんが、丸写しはおすすめしません。同じクラスの友達が同じ例文を見ている可能性がありますし、内容が自分の思い出と合っていないと、読んだ人にも伝わってしまいます。実際にあった行動と、だれかが言ったひとことの2か所は必ず自分のものに書きかえてください。
- 「感動的な文集にしなさい」と言われましたが、泣ける話がありません。
-
泣ける出来事を探す必要はありません。感動は出来事の大きさではなく、書き方の細かさから生まれます。ふつうの一日でも、その場の音や、だれかの表情、言われたひとことまで書き込めば読み手の心は動きます。悲しい話や大変だった話を無理に作る必要はまったくありません。
- 卒業文集の文字数はどれくらいが目安ですか?
-
学校によって指定が異なり、原稿用紙半分から数枚まで幅があります。まず学校の指定を確認し、その字数の8割以上をうめるのが目安です。字数が多い場合は思い出の数を増やすのではなく、一つの場面をより細かく書いて調整してください。
- 友達とのけんかや失敗したことを書いても大丈夫ですか?
-
書いてもかまいませんが、原因を細かく書いたり、相手を特定できる形にしたりするのは避けてください。文集は何十年も残り、相手やその家族も読みます。仲直りできた場面や、そこから学んだことに的をしぼれば、気まずくならずに深い内容にできます。
- タイトル(題名)はどう決めればいいですか?
-
本文を書き終わってから決めるのがおすすめです。書き終えた文章の中で一番心に残っている言葉や、印象的なセリフをそのまま題名にすると、内容とずれません。「思い出」「感謝」のような大きな言葉より、「バケツ、持つよ」「二十五メートル」のような具体的な言葉のほうが目をひきます。
まとめ|感動する卒業文集は「本当のこと」を細かく書くだけ
小学生の卒業文集で読む人の心を動かすために必要なのは、うまい表現でも、めずらしい出来事でもありません。この記事で紹介した10本の例文に共通していたのは、次の3つでした。
- 思い出をひとつの場面までしぼり込んでいる
- 気持ちを説明せず、行動とセリフで見せている
- 最後に今の自分とこれからを短くつないでいる
気に入った例文が見つかったら、行事名や人の名前を変えるだけで終わらせず、実際にあった行動と、だれかが言ってくれたひとことを自分のものに書きかえてみてください。その2か所が本物なら、文章は必ず自分だけのものになります。
書き出しに迷ったら、「ぼく(わたし)の一番の思い出は、六年生の……です」から始めてみてください。一場面を決めて書き出せば、あとは思い出すまま書くだけで、心に残る卒業文集になります。
